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The Roots #Vol.3 子供服的ミリタリー(Military)

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変わりゆくもの。そして、変わらないもの

今ではすっかり日常に溶け込んだミリタリーファッション。
生産性と機能を突き詰めた究極のワークウェアとも呼べ、またアウトドアウェアの原型でもある。

今回は数あるミリタリーウェアの中から最も代表的なアイテム。
『MA-1(フライトジャケット)』と『M-51(モッズコート)』にフォーカスする。

先ず、『M-51(モッズコート)』について。
そもそもモッズコートとは米陸軍が極寒地用に開発していた軍用パーカー『M-51』とそれに類似するシルエットのコートを指す。

『M-51』の特徴は、オリーブグリーンの生地、ジップアップとスナップで閉じる前身頃、大きなフードとフラップ付きのポケット、腰回りを調節できるドローコード、そして後ろ裾が長く先の割れたフィッシュテールと呼ばれるシルエット。さらには取り外し可能なパイル地のライナーと防寒ファーも仕様として挙げられる。

『M-51』は1950年代に朝鮮戦争などで使用されたのち、軍の放出品として市場に出回った。
その後60年代のロンドンでは、モッズと呼ばれる若者たちが、機能性の高さと独特のシルエット、そしてスーツ&ポロシャツというスタイルとの相性の良さからこぞって着用。
そこにはスクーターに乗る際に愛用のスーツが汚れないように着用していたという側面もあった。
そのスタイルはモッズたちを描いた1979年の映画「QUADROPHENIA(さらば青春の光)」で広く知られることとなり、それと同時に『M-51』もモッズコートという通称でファッションアイテムとして認知されるようになった。

続いて、『MA-1(フライトジャケット)』ついてだが、こちらは1950年に登場したアメリカ空軍のナイロン製フライトジャケットのことだ。

戦闘機・輸送機が飛行する高高度は、気温や外気圧が大きく変化する極めて過酷な環境。
その為、フライトジャケットは防護機能はもちろんのこと防寒機能を兼ね備えたものでなければならない

そして、高度や気温などによる5段階の「適応ゾーン」を設け、各々に応じたフライトジャケットを開発してきた。
・ベリーライトゾーン:30℃~50℃
・ライトゾーン:10℃~30℃
・インターミディエイトゾーン:-10℃~10℃
・ヘビーゾーン:-30℃~-10℃
・ベリーヘビーゾーン:-50℃〜-30℃

この中のインターミディエイトゾーン(気温-10~10℃)に対応するようディテールチェンジを加えて1950年に生まれたのが、傑作『MA-1』だ。

機内での動きを妨げないコンパクトなショート丈。ナイロンを使ったボディで軽量化を実現するとともに、首まわりや裾などにリブを施すことで動きやすさと防寒性を両立。
通信ケーブルや酸素マスクのホースを固定するための胸元のタブ。左腕のポケットなど、機能性も向上。
それと同時に、遭難時に発見されやすいようインディアン・オレンジと呼ばれる蛍光色が採用されているのも大きな特徴だ。

ところで、なぜ我々はここまでミリタリーウェアに惹かれるのだろうか。
ファッションとは真逆にあるはずのミリタリーウェアは、軍事における実用という本来の目的を終えてなお、不思議なほどに我々の生活にファッション(日常着)として存在する。

ミリタリーウェアを身にまとうからとて、なにも争いを好んでいるわけではない。
きっと鍛え抜かれた無駄のないそのデザインと機能美に、純粋に惹かれているのだ。
ヴィンテージの人気の高さやリプロダクトの多さは、ミリタリーウェアの朽ちることのない実用性と不変性への敬意の表れではなかろうか。

変わることなく愛され続ける「不変な存在」として、子供服にとってもそれほど魅力的なアイテムなのだ。

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